「プラットフォーム作りで外部の力を積極的に使う」

Dozensユーザー事例インタビュー #01  株式会社リアルグローブ 代表取締役 大畑 貴弘様

開発者向けアプリケーションプラットフォーム「ニフティクラウドC4SA」を開発/OEM提供しているリアルグローブ社。今回は代表取締役の大畑さんにクラウドを利用したプラットフォームづくりのこと、Dozensをはじめとした外部システムとの連携、起業することについてをうかがいました。
(聴き手:吉田パクえ / 撮影:藤木穣)

吉田

リアルグローブの最近のトピックスを教えて下さい。

大畑

2014年5月27日一般社団法人日本教育情報化振興会の定時総会にて平成25年度「教育分野における最先端ICT利活用に関する調査研究」事業の研究成果報告会が開催され、弊社が表彰されました。

吉田

それはどういった活動ですか?

大畑

教育分野におけるICTの利活用をすすめ、情報化に対応した教育の充実や児童生徒の学習・授業参加意欲やICT利活用能力の向上を目的とした国の事業に参加させていただきました。
最終的には1400万児童生徒、1700自治体が対象となるわけですが、その事前に教育の現場に一人に一台タブレットを導入するためには、どのような技術的課題があるのかを整理するというプロジェクトがあり、いつでも、どこでも、どんなデバイスからでも学習できる教材が、児童生徒に対してクラウドサービスとして提供されるという言わば教育のためのプラットフォーム作りを弊社は担当させていただきました。
教育におけるICT利活用を進めることで、教師不足や格差を乗り越えて、個に応じた教育や学習の機会をあまねく提供することができるようになると考えています。

C4SAはプラットフォーム

吉田

少し話しが飛びますが、リアルグローブ社はPaaS(Platform as a Service)をOEM提供しているという特徴的な事業をされている会社と私は認識しているのですが、リアルグローブという会社がニフティクラウドへPaaSとしてC4SAを提供するに至った背景を教えてください。

大畑

2006~2007年ごろ周りの学生を集めてWebアプリケーションの開発や研究の手伝いをやってました。その後、リーマンショックをうけ、新規開発の予算が全くなくなった企業が多くなりました。その経験から、「必需品」を売らなきゃいけないな、と思い、当時流行ってきていた仮想化周りのオープンソースを活用したIaaS事業をしようとサーバーをたくさん買いました。ところが、事業を開始した半年後くらいにニフティクラウドなどの国内クラウドサービスが立ち上がってきました。試してみたのですが、これは負けたなと(笑)。
しかも、値段も勝てる気がしませんでした。そこで、方向性を変えることとしました。いわゆる規模の経済が強く働く部分については、自分たちがやらずにパートナー様にお任せし、利用者が便利にそういった環境を利用できる仕組みの提供に自分たちは注力しようと考えました。そこでパートナー様を探した結果、中の人も含めてピンと来たのがニフティクラウドでした。その後、ニフティクラウド上で動くPaaSとしてニフティクラウドC4SAを提供するに至っています。

吉田

現在C4SAについてはどんな動きがありますか?

大畑

現在もC4SAというPaaSは、開発から本番までをカバーする機能が提供されています。一方で、利用状況を見ていると、すぐに環境を構築出来るという手軽さの部分が一番響いているようで、開発環境やデモ環境として使われていることが非常に多いように感じています。そこで、本番環境で求められるスケーラビリティについては利用者様が直接管理できるようにし、開発環境としてのUXにフォーカスしたエンタープライズ向けのバージョンを作って行きたいと考えています。そこでは、利用者様からのヒアリングで挙がってきている、予算管理や権限管理といった機能を強化していきたいと考えています。加えて、C4SA上で開発したアプリケーションを他の環境(IaaS)で利用できるようにしたいとも考えていて、これにより、本番化されるタイミングでC4SAを使いスケーラビリティを確保するという手段にくわえ、利用者自身がIaaSの機能を使いスケーラビリティを確保することも可能となります。
C4SAはあらゆる機能がWebサービスとして構築されており、そのサービスを束ねてプラットフォームとし、利用者様に提供をするという構造になっています。冒頭ご紹介した教育のICT利活用の件においても、コンテンツを提供する側や利用する側の為に基本機能を束ねたプラットフォームを作り、利用者様が活用するという構造ということができます。つまり、リアルグローブは"プラットフォームを作って行く"会社ということができます。

リアルグローブは Dozensの「ヘビーユーザー」

吉田

リアルグローブという会社において、Dozensというサービスはどのような位置づけになってますか?

大畑

プラットフォームを作って行く上で、全てのパーツを自分たちでそろえるのではなく、むしろ積極的に外部のパートナー様の力を使って行きたいと考えており、Dozensを使っているのはその一つという位置づけです。弊社はDozensを使いまくっているので、かなりのヘビーユーザーですよ(笑)
ということで、今後も多くのサービサーの方々と協調して行きたいと考えています。

吉田

プラットフォームを提供するとなるとDozensのようにすでにAPIがあるものに合わせて行く方法と、プラットフォームのAPIへ合わせてもらうという方法が考えられますが、リアルグローブとしてはこのあたりはどう考えていますか?

大畑

相手のAPIに合わせていくスタイルでは、合わせる側の負荷は大きいと思います。私たちのプラットフォームでは互いのAPIの間に入り、翻訳をするような機能についても提供しようと考えています。

リアルグローブ流、起業アプローチ

吉田

リアルグローブは起業して7期目ということですが、最近では大畑さんが新しく起業しようという方へのメンターとしても活動されています。メンターをされているときはどんなことを考えてますか?

大畑

最近のベンチャーの起り方ってカッコいいな〜と思います。僕らに至っては染みついた下積み感がハンパないので(笑) めっちゃジェラシーを感じてます。こいつら自由だなぁ〜っと。 課題認識はとても的を射ているのに、決定的にアプローチが違うと感じることが多いです。
リアルグローブはどちらかというと、アプローチはしっかりしているが課題があいまいな方だと思ってます。リアルグローブが事業計画を作るというのは、自分の力を活かせる課題を見つけるという感じがあります。こういうアプローチができる会社は珍しいほうだと思っています。正直なところ、課題がはっきりしている起業は羨ましいなぁと思います。課題ありきの起業では、課題に関する知識であったり、課題に対するモチベーションであったり、課題に立ち向かう創業者のストーリーであったりというものが起業の中心にあるので、圧倒的にカッコいいなぁと。(笑)

吉田

では、その「カッコいい」起業を今からやれるとしたらやりたいです?

大畑

いや〜、、、やりたくないなぁ。というか、起業はもうしたくないです。意外と会社に勤めたら、僕は良い仕事すると思いますよ。

吉田

ホント?(笑) なんなんだか。では落ちたところで、この辺で。有り難うございました。

株式会社リアルグローブ 代表取締役

大畑 貴弘 / 話し手

2006年株式会社リアルグローブ創業。「ITで、世界をもっとおもしろく」というミッションのもと創業した東大発ITベンチャーを経営中。

株式会社co-meeting 取締役 CTO

吉田 パクえ / 聴き手

「パブリック クラウド えばんじぇりすと(略してパクえ)」を自称し、SIer/企業内情報システム部門/SaaSビジネスの立上げなどの職歴を活かしたベンダーにとらわれないクラウド活用の講演やセミナーをする傍ら、執筆活動、企業のクラウドアドバイザ、商品開発支援、マーケティング支援を行う。他にCompTIAの教育パートナーとしてクラウド時代の人材育成トレーニングの提供、IT系人材による地域活性活動、起業支援活動の支援で全国を駆け巡る日々。

Fujiki Design

藤木 穣 / 撮影

Fujiki Designを主宰し、様々なWebサービスやモバイルアプリのUI/UXデザイン制作を行うほか、様々なWebサービスやメディア用の写真撮影も行っている。在米時には故スティーブ・ジョブズのAppleの基調講演の写真撮影なども何度も行った貴重な経験を持つほか、シグマ50周年記念イベントなど様々な場所で個人の写真作品を展示している。