Dozensは解りやすかった、設定しやすかったです

Dozensユーザー事例インタビュー #02 Happy Printers 代表 堀江 賢司様

目の前で思い描いたものが印刷される、原宿に店舗をかまえるHappy Printers。今回は代表の堀江さんにどういった経緯でリアル店舗をかまえられたか、また中小企業がどのようにITと向き合うと良いか、DozensのようなITサービスを活用するに至った背景についてうかがいました。
(聴き手:吉田パクえ)

吉田

業務用デジタルプリンターが主役のモノづくりショップ「HappyPrinters」を作ろうと思ったきっかけは?

堀江

本業としてBtoBの印刷業である「堀江織物株式会社」を行っています。

BtoBの印刷業は個人向けのサービスとはロットや仕事の進め方が全く違い、魅力は感じつつもなかなか踏み込めないでいたのを解消するために、全く違う仕事として個人が気軽に遊びに来ることができるデジタルプリントのお店として「HappyPrinters」をオープンさせることにしました。

最近では個人がモノづくりを行い、ECサイトなどで簡単に販売できるようになりました。
もし業務用プリンターが手軽に使えたら、これまで10個しか作れなかったものが100個作れるようになったり、手作りっぽいものが製品感がでます。そのために個人が業務用プリンターを気軽に使えるようにしたかったのが動機ですね。

吉田

構想を支えるニーズのようなものは事前に感じてましたか?

堀江

 時代の流れてきにちょうどデジタルインクジェットプリンターが業務用のものが小型化してきて、印刷精度も上がってきたころでした。3Dプリンターなどを使ったものづくりムーブメントも起こってきたタイミングが後押しになりました。モノづくりをしたい人は多くいますが、そういうものづくりを楽しみたい人たちが、試行錯誤して物作りを楽しむ場所。それはネットではなかなか実現することができません。
インターネットでできること、リアル店舗でしかできないことがあると思ってます。O2Oとか言われていますが、ネットでは検索できないもやもやした所を解決するためにはリアル店舗でやるおもしろさもあるし、誰もやってないのでやろうかなという感じです。

店長の杉原はデザイナーで10年以上仕事を一緒にしていて、2人で構想をずっと話していました。そのうちに場所が見つかり、助成金などのお金も解決しと進んでいくうちに気づいたら半年くらいで店舗をOPENしていました(笑)

吉田

元々の企業向けの仕事と比べるとどうですか?

堀江

このタイプの店の仕組みとしては非効率な部分があります。ただそこから生まれるお客さんとのコミュニティやでき、新しいニーズが生まれ、お店にデザイナーさんだけでなく企業の方も遊びに来てコラボレーションが生まれてきます。
場所(原宿)はあまり意識してなかったのですが、場所によってきてくれるお客さんの層や生まれる仕事のクリエイティビティが全く違います。

吉田

元々の「のぼり屋」という印象は全くない店構えですよね。

堀江

のぼりの製造工場とは意図的に分けています。しっかりと印刷に向き合う仕事は品質重視で失敗が許されない為慎重になりがちですが、原宿の方ではクリエイティブを大切にしていて、失敗から生まれるアイデアも大切にしています。

吉田

元々の「堀江織物」という会社と「HappyPrinters」の間には何か関係性はあるのですか?

堀江

印刷を楽しみたいという気持ちですね。
「堀江織物」は布の印刷でシルクスクリーンとデジタルプリントの製造工場で、企業向けで量産しているので、布専門です。「HappyPrinters」は布も含めてデジタルプリント全般で個人向けにやっています。

現在HappyPrintersではリアル店舗によるサービスとなっておりますが、今後Webサービスをやろうと思ってます。したがって、Webサービス・リアル店舗・工場という組み合わせで今後は取り組んで行く予定をしています。

吉田

差支えない範囲でWebサービスの構想を教えてもらえますか?

堀江

今考えているのは、個人の人が1mから自分の作ったデザインやほしいデザインの布が手に入るサイトを作ろうと思っています。今まで布は同じ柄を量産して在庫するビジネスモデルで、どうしても似たようなものになりがちです。そこで、デジタルプリントを使い、オーダー毎に作るというサービスをやってみたいと考えてます。

布は世界中で同じデザインが売られていたり、子供向けの柄も大体同じものになりがちです。どうしても在庫を持って行う従来の方法では、ニッチなリクエストに応えるのが難しいです。Webの力で人が行うと手間のかかる部分を補うことができれば、多品種小ロットであっても生産は可能になると思っていて、今は店舗で色々と試しているところです。

吉田

堀江さん自身、Evernoteを使いこなしたりデジタルなガジェットの使い手としては素晴らしい活動をされていますが、エンジニアではないので厳しいところはありませんか?

堀江

コンピューターでどんなことができるかは想像ができるのですが、実際にどうやれば良いかはわからないのでいろんな人に教えてもらってます(笑)
精通する詳しい知り合いが増えたり、逆に私のほうが知っていることを教えたりとお店のおかげで交流が生まれていますね。

クラウドサービスを活用している理由は、自分がその場所に依存したくないからです。自分自身が場所とか物に依存をしたくないと考えてます。そのため、クラウドサービスが向いているというだけですね。結果として、出張に行っても困らないし、いろいろな人にも会えるしとメリットを感じてます。

(編註:堀江さんはEvernoteアンバサダーです)

吉田

堀江さんが感じる周りの人との関係性というのは、工場の中の人には作れない関係性だと思いますがいかがですか?

堀江

そうですね。愛知県に工場があるのですが、工場に入ると生産活動、つまり物作りの方ばっかり見てしまいます。色々なものとの関係性について考えることはなくなるので、私が東京で営業活動をしていることで生まれるメリットもあると思ってます。

吉田

堀江さんの知り合いにはIT関係の人が多い印象なので、注文は結構きませんか?
IT関係はイベントも多いですし。

堀江

あまり周りに仕事をくれ!とは言わないようにしてます(笑)
インターネットでは「のぼり」とか「はっぴ」とか検索できますが、なんとなくこういうものがほしいというのは検索できないですよね。それにアレンジなども難しいです。

ITのことを教えてもらって、印刷に関係することをお教えするという関係ですね。
でも、自分では周りが印刷業の人ばかりなので、特殊なことをやってるとは思ってないのですが、それぞれ違う仕事をやっているのが普通なので「どんな仕事をしてるのですか?」から始まるのが楽しいですね。僕からすれば、一日パソコンだけで仕事ができている人には「そこに何があるの?」と思いますよ(笑)

特定の業界から離れて全体をぼんやり見ている方が、いろいろできそうなことに気が付けると思います。こんな人と組めばこんなことができそうだ!と思いつくには、少し離れて色んな人と会うのが良いですし、かなり楽しいです。

製造業はもっとWebを使いこなす必要がある

吉田

HappyPrintersのサイトをご自身で作られたりはしてないのですか?

堀江

そうですね。周りからアドバイスをもらいつつ、プロにお願いしてます。

自分では事業に対する思いが強くなりがちで、依頼することが増えすぎて要件が多くなりすぎてカオスになりがちです。そういう時に冷静にコンサル的にまとめてもらいシンプルにまとめてもらえるような対等な関係の中で作るのが良いと思ってます。HappyPrintersのサイトは堀江織物のサイトにつづいて2つ目です。一つ目作った経験もあって二つ目のサイトの方がイメージが近くなっている感じがあります。最初から目指すものを作りすぎるよりも、二つ目、三つ目と重ねることで良いものにしていくというのは重要だなと感じます。

吉田

ところで、そもそもDozensっていうサービスがどんなサービスかってご存知ですか?
一応お使いになられているのでインタビューしているのですが(笑)

堀江

製造業の人と名刺交換すると解りますが、ドメインを持ってない人はかなりいますよ。
ドメインは高いし、特別なモノというイメージを持った人はとても多いです。とにかくすごくハードルが高いイメージです。

中小企業こそブランディングは必要なので、プロバイダのアドレスよりも独自のアドレスでは信頼感に圧倒的な差があります。なので、大切なのはわかるのですが、何が解らないかすら解らない世界という感じです。「インターネットで調べれば?」とか言われますが、何を言葉として入れれば良いかが解らない人が多いんだと思います(僕もそうです)。

なんとなくGoogleAppsが便利そうだとかは解ります。ホームページやブログを作るときにドメインが必要そうだとかは解ってたので取りあえず取りましたが、それからどうしようかと。
その後、Dozensというものを知ったという経緯ですね。

ドメインは反映されるのに時間が掛かりますよね。そもそも、合っているか解らない設定をし、さらに反映に時間が掛かる。そんな状況で数日待つなんてなると、永遠にゴールにたどり着けない気分になります。ネットで調べてみても、詳しい人が解る人に向けて書いたものが見つかるので、逆にどんどん解らなくなります。

そんな中で、Dozensはまだ解りやすかったです(笑) 設定しやすかったです。

吉田

おお、Dozens役に立ってますね(笑)

堀江

最近感じますが、中小企業こそマーケティングをちゃんとやるべきだと思ってます。私一人が営業でいろいろやったところでたかが知れます。ちゃんとネットにアーカイブを残すことで、それを見て理解してくれる人が出てくる。これはネットの良いところだと思います。

検索で見つけてもらえるようにしたり、ドメインを整備したりは、そういう意味で大切なことだなと感じています。

現在のWebでは、実際に手を動かしている層ではなく、その上の層が使いこなしている印象です。もっと製造業がWebと仲良くなる必要があると思ってます。そのためには、もっと製造業がWebのことを勉強する必要があると感じます。

例えば、Google Analyticsを見ていると、自分たちが思っているキーワードではない言葉で調べられていたりします。それが解れば、そのキーワードに向けたコンテンツを作ればよい。自分を知る意味でもネットは便利だと感じます。

製造業では資金があれば設備投資をしてしまいます。それは、すぐにお金になるから。その100万の中で30万とか50万とか一部をWebにまわしてみたりすると結構結果が出ることがあると思っています。BtoBの場合、問い合わせがあり案件になればすぐに回収できたりする金額だったりしますし。

実に効率の良い投資ということもできますが、Webのことが良く分からないからそう考えられないという側面もあります。一度注文が入り、また注文が入りと小さい成功体験が積み重なることで、意味を感じられるとも思いますね。

もともと私自身、ネットで問い合わせがくるイメージがなかったのですが、ちゃんとプロに作ってもらうと問い合わせが来て、ちゃんと答えると案件になった時は驚きました。でも、自分も解らないことはネットで調べるのですが、自分の会社もそうやって調べられている側だという認識はなかったですね。なので、詳しい人に色々と教えてもらうことは重要だなと痛感しました。

吉田

大変多くの方に参考になるご意見だと感じます。
ところで、痛い目にあったことありますか?

堀江

もちろんありますよ(笑)。でもマイナス面をみるよりプラス面を活かしたほうがいいかなと思っています。

最近のWeb系の考え方を製造業に取り入れるとすごく合うことが多いです。例えばグロースハックやインバウンドマーケティングとか。とてもヒントになることが多いです。また、Webのサービスはすごい数出てくるので、まずは試してみることにしています。結果として、少ない費用でとても効果があったりするものに出会えることもあります。まずは試すことが重要だなと思います。

情報を発信するのは見つけてもらうため

吉田

堀江さんはブログを結構書かれていますが、書いているときは「商い」のことを意識してますか?

堀江

ブログは完全に個人として書いています。ただ、アウトプットをすることは意識しています。
私の場合は愛知の小さい印刷屋なので看板で勝負できません。会社の看板がない場合、どうやって認識してもらうかというのはアウトプットの質であったり内容だと思います。また、アウトプットしていかないとネットで見つけてもらえません。
そのため、アウトプットを意識しています。あと、単純に書いたの読んだよと言ってもらえるのは嬉しいです。何か検索したら、私がアウトプットしたものが見つかるかもしれないという可能性に、まずは手を出しておくというのが重要だと思ってます。

吉田

義務感でやってますか?

堀江

ブログって大変じゃないですか。写真撮ったり、画像のサイズ変えたり。義務感ではできないですね。私の場合は書くことが楽しいのでやっている感じです。

以前、ヤマト運輸の出荷に間に合わなかった場合どんな手段で出荷できるかというブログを書きました。これは普段僕が仕事で使っているノウハウなのですが、ブログで書いた結果、あるお客さんがすごく困ってネットで調べたらその記事を発見したそうなんです。
そういう時ってうれしいですよね。その記事は今でも結構アクセスがあります。
個人でもそういった自分だけのノウハウって結構あると思います。自分がほかの人よりもちょっと詳しそうなことは、全部ネットに出せばいいのにと思いますね。アウトプットしないと何もネットでは引っかからないです。

「クラウドサービス好きです!」でも出しておくと、なんとなく向こうからこっちに寄って来てくれる感じがします。まずアウトプットしないと、僕という存在を誰も認知してくれないです。アウトプットしないと楽しいことが起きないと思います。
僕は日本で一番クラウドに詳しい営業マンになりたかったので、クラウドサービスが大好き!とかScansnap大好き!とか言ってたら色々と声を掛けてもらえるようになりました(笑)

(編註:堀江さんはScanSnapアンバサダーでもあります)

吉田

堀江織物は愛知、HappyPrintersは東京にあるわけですが、もし愛知にずっといたとしたら現在のような動き方をされてましたか?

堀江

きっとならなかったと思います。愛知に居続けたら、現場指向になっていたと思います。

ちょっと違和感を感じるくらいの場所にいると少しづつ慣れてくるので、ちょっとずつ違和感のあるところに行くチャレンジは重要だと思ってます。筋肉が付いてくるように、いろいろなことに少しずつ詳しくなれるのが良いと思います。
会社として潰れない範囲の余力の部分で、少しずつ将来のことをずっと続けるのは大切だと思ってます。そういう意味で行くと、HappyPrintersは私の許される範囲の余力でやっているところがあります。もちろん、うまくハマれば大きくなりそうだし将来的な柱になってほしいなと思ってやってます。

火傷しない範囲でチャレンジをすれば、見えてくることがあると思います。路面店があればこそできるコラボレーションだってあると思います。少しうまく行ったら、また少し先に進める。そうやってやり進められれば、そこにネットに詳しい人やサーバに詳しい人と知り合いになれる。次はそうやって知り合った人に教えてもらいながら、そういった人たちときちんとビジネスを仕上げていくことがやりたいと思ってます。今後は個人と企業の境目がどんどん無くなっていくと感じます。そこに新しい問題も生じるかもしれませんが、同じくそこにニーズも生まれると思います。

吉田さんご存知ないかもしれませんが、インターネットってすごいんですよ!知ってました?(笑)クラウドってすごいんですよ!

吉田

そうなんですか?私も噂には聞いてますけど(笑)

今回のインタビューはこれからWebをもっと活用したいなぁと考えている方にとって、とても参考になるお話を多く聞けました。
多くのサービスのお蔭で以前よりも敷居も下がった面があると思うので、堀江さんのように周りに相談しながら
チャレンジをする方が増えるといいなと思います。ありがとうございました!

HappyPrinters原宿

〒150−0001 
東京都渋谷区神宮前3−27−15 FLAG1B
070−5370−6700
営業時間:11時〜19時(年末年始、夏季冬季休暇除く)
ホームページ http://happyprinters.jp/
Facebookページ https://www.facebook.com/happyprintersharajuku

Happy Printers 代表

堀江 賢司 / 話し手

東京の原宿に世界一ワクワクする印刷工場 を目指した店舗型の印刷工場である「HappyPrinters」を運営。仕事ではクラウドサービスを活用した営業スタイルを実施し、Evernoteの認定する「Evernote仕事効率化アンバサダー」や株式会社PFUの「ScanSnapアンバサダー」などに就任し活動している。

株式会社co-meeting 取締役 CTO

吉田 パクえ / 聴き手

「パブリック クラウド えばんじぇりすと(略してパクえ)」を自称し、SIer/企業内情報システム部門/SaaSビジネスの立上げなどの職歴を活かしたベンダーにとらわれないクラウド活用の講演やセミナーをする傍ら、執筆活動、企業のクラウドアドバイザ、商品開発支援、マーケティング支援を行う。他にCompTIAの教育パートナーとしてクラウド時代の人材育成トレーニングの提供、IT系人材による地域活性活動、起業支援活動の支援で全国を駆け巡る日々。